みらい想い出写真館

vol.96 : ご家族ぐるみで施設を盛り上げて


 

「スウー、ハクー。スウー、ハクー。気功は呼吸が大事ですよー。」穏やかな音楽に軽妙な話術を交えながら数十名のご入居者様はゆっくりと身体を動かし始めました。7月も末の土曜日、未来倶楽部「川口新井宿」で気功の指導をしていただいているのは、インストラクターの越(こし)先生です。とても76歳とは思えないほど張りのある声と身のこなしで、約40分間、気功教室は続きました。

 

越先生と気功との出会いは、胃癌のため胃を一部切除した54歳の頃だったそうです。その後2年を経て気功の指導員となり、カルチャーセンターやスポーツクラブ、生きがい大学など、さまざまな場所で指導を行ってこられました。ご自宅の近所の青木公園では、ボランティアで気功の指導を20年以上も続けていらして、毎朝ご高齢の方々が40~50人くらい集まるそうです。また、民生児童委員として18年間勤め、埼玉県知事から金のネクタイピンを贈呈されたり、感謝状をもらったりするほど地域に貢献された方です。

 

越先生がこの施設で気功を教えるようになったのは、奥様がここにご入居されたことがきっかけでした。奥様はALS(筋萎縮性側索硬化症)というご病気で、先生はご自宅で奥様を介護していました。しかし、長期にわたる老々介護に限界を感じて、奥様のご入居を決意されました。今はほぼ毎日、施設を訪れているそうです。他のご入居者様とも顔なじみで、気功の時間には名前を呼んでお声がけするほど、施設に溶け込んでいらっしゃいます。

 

納涼祭の盆踊りの練習では、率先して踊り方をご指導くださいました。当日は大盛況で、嬉しさのあまり歩行器を手放して、踊りだすご入居者様もいらっしゃったとか。また、先生のお嬢様もご友人のグループと、ゴスペルのコーラスを施設で披露されました。今年のクリスマスにも施設で唄う予定が決まっているそうです。縁あって奥様がご入居され、越先生はご家族ぐるみで施設に関わってくださっています。もちろんご入居された奥様への思いからくるご厚意とはいえ、老人ホームとご家族との素敵な関係のひとつではないでしょうか。

 

 

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