スタッフの声

vol.72 : もう一度、あのステーキを

以前、A様の受診付き添いサービスをさせていただいたときの話です。

 

当時、まだ入居されて間もないA様と、朝から車で病院へ向かうことになりました。A様は元経営者で、おだやかながらも鋭い視点を持っておられる方です。私は車のドアの開閉やスタッフとしての立ち居振る舞いなどに注意を払い、緊張しながらもホテルのコンシェルジュのような心持ちで対応をいたしました。

 

時間が経つにつれ、どこまでお手伝いをするべきかなどお互いの距離感をつかめるようになり、必要以上に緊張を生まない空間になっていました。当時A様とはお会いして数日でしたが「君は僕のケアマネだから、何でも話そう。」と、ご自身の波乱に満ちた半生を話してくださいました。行き帰りの車中や病院の待合室などで、A様の仕事観、人生観などを語ってくださったり、逆に私の私的な話にも耳を傾けてくださったりして、とても打ち解けた間柄となりました。施設への帰り道「ちょっと、どこかで食事をしてゆこう。」とA様。そこで、A様の希望されたステーキを食べに行くことになりました。「そんなに食えなくなったよ。」とおっしゃりながらも一口ずつ美味しそうに召し上がっていらっしゃいました。

 

それからしばらくして、体調を崩して入院されたA様をお見舞いしに病室へ伺いました。A様は病室のベッドでむくんだ脚をさすりながら「あまり良くないんだよ。」、「もう一度あのステーキ食べたいなあ、うまかったもんなあ。」とお笑いになりました。「行けますよ、きっと。」私はA様を励まし、病室を後にしました。A様、1日も早く良くなって施設にお戻りになることを願っています。

 

未来倶楽部
ケアスタッフ

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